- あたる
- あたる【当(た)る・中る】(1)動いていった物が, 他の物に勢いよく接触する。 ぶつかる。 《当》「ボールが壁に~・ってはね返る」「雨が強く~・る」(2)投げたり撃ったりした物が, ねらったとおりの所に行く。 うまく命中する。⇔ はずれる《当・中》「矢が的に~・る」(3)光・雨・風などの作用を受ける。 《当》「一日中太陽の~・らない部屋」「雨が~・らないように, シートでおおう」「たき火に~・って体をあたためる」(4)物や体の一部に他の物が強く接触し, その結果, 傷が生じたり痛みなどを感じたりする。 《当》「何か硬いものが足に~・る」「この靴はかかとの所が~・って痛い」「この桃は少し~・って黒くなっている」(5)くじ引きなどで, 賞を得ることに決まる。 ⇔ はずれる。 《当・中》「宝くじで一等に~・った」(6)予測・判断が現実とぴったり合う。⇔ はずれる(ア)予測・推測が的中する。 《当》「最近の天気予報はさっぱり~・らない」「山が~・る」(イ)ある判断・評価が現実に合致する。
「その非難は~・らない」
(7)興行・商売・事業などが多くの客から人気を博する。 成功する。 《当》「今度の芝居は~・った」(8)果物(クダモノ)などの作柄が良く美味である。 《当》「ことしはミカンが~・った」(9)(普通, 仮名で書く)害となるものによって体などが損なわれる。「フグに~・って死ぬ」
(10)人が相手や物事に立ち向かう。 《当》(ア)手ごわい相手に立ち向かう。「命がけで敵に~・る」(イ)むずかしい物事の解決に取り組む。 「社内一丸となって難局に~・る」(ウ)周囲にいる責任のない人に対して, 怒りを発散したりひどい仕打ちを加えたりする。 「むしゃくしゃして, 犬にまで~・る」
(11)人や物にじかに接して確かめる。 調べる。 《当》「直接本人に~・って確かめてください」「あっちこち心当たりを~・ってみる」「出典に~・る」「辞書に~・る」(12)何人かの中で, ある特定の人に仕事や課題が割り振られる。 《当》「むずかしい問題が~・って困った」「掃除当番に~・る」(13)その仕事に従事する。 《当》「この度, 会長の任に~・ることになりました」「警護に~・る」「診察に~・った医師」(14)(「…は…にあたる」の形で)…に相当する。 該当する。 《当》「一フィートはほぼ一尺に~・る」(15)(「…にあたり」「…にあたって」の形で, 名詞や動詞連体形やサ変動詞の語幹を受けて)重大な節目(フシメ)となるような事柄に際して。 《当》「年頭に~・り, ひと言ご挨拶を申し上げます」「会の発足に~・って…」(16)(「…するには当たらない」の形で動詞を受けて)…する必要はない。 《当》「そんなこと少しも驚くには~・らない」(17)野球で, よくヒットやホームランを打つ。 《当》「あのチームは全員よく~・っている」(18)(「つぎがあたる」の形で)布の穴につぎが施される。「つぎの~・ったシャツ」
(19)麻雀で, その牌(パイ)であがりになる。(20)(ア)〔身代(シンダイ)を「する(擦る)」に通じるのをきらって〕「(墨を)磨(ス)る」の忌み詞。 (イ)江戸語・東京語では「(ひげを)剃(ソ)る」を「する」というので, 「剃る」の忌み詞。「ひげを~・る」
〔「当てる」に対する自動詞〕‖可能‖ あたれる︱慣用︱ 事に~・山が~当たって砕(クダ)けよ成功するか失敗するかは分からないが, とにかく決行してみよ。当たらず障(サワ)らずどこにもさし障りがないように, どっちつかずであるさま。「~の返事」
中(アタ)らずと雖(イエド)も遠からず〔大学〕的中はしていないが, それほどまちがっていず, ほぼ正しい推測である。当たるも八卦(ハツケ)当たらぬも八卦占いは的中することもあるし, 外れることもある。当たるを幸(サイワ)い手当たり次第に。「~薙(ナ)ぎ倒す」
Japanese explanatory dictionaries. 2013.